日本で3番目に古い動物園【天王寺動物園】
はじまりは、博物場の“付属”コーナーでした。
1930年代の大スターだったチンパンジー『リタ』と『ロイド』
明治8年(1875年)の4月、大阪府によって設置された「府立大阪博物場」。
展示物のひとつとして、付属動物檻が設けられたのが明治17年。
中でも、余興として開設された珍動物が人気を博したため、場所を本町から天王寺へと移し、満を持して大正4年1月1日に開園したのが、現在まで続く『天王寺動物園』のはじまりです。
明治8年と聞いてもピン、と来ないという方!
明治維新の8年後、まだ着物を着たお侍さんがいた時代だと考えてみてください。
女性は時代劇のようなかんざしに盛り髪だし、男性にはまだチョンマゲの人も残っていたし、有名な新撰組の土方歳三が亡くなってたった6年です。
大正4年は、芥川龍之介が『羅生門』を発表した年で、第一次世界大戦が勃発して一年目。
こう考えると、我々現代人には、ちょっと実感が沸かないくらい昔の出来事のような気がします。
そんな大昔にルーツのある動物園が、現代の大阪に未だ現存して
いるなんて、ちょっと不思議な感じがしませんか?
現在のシェーンブルン宮殿の様子
○o。ちなみに・・・
世界で最も古い動物園は、オーストリア皇帝フランシス1世が王妃マリア・テレジアの為に作ったプライベートな動物施設を、1765年に一般開放したシェーンブルン動物園だと言われています。
日本では、上野動物園が明治15年に、京都市動物園が明治36年、天王寺動物園が大正4年に日本で3番目の動物園として開園しています。
西洋文化が花開いた明治初期から、戦争開戦に至るまでの、激動の時代に産まれた天王寺動物園。
以後、珍しいもの新しいものに対する単なる興味から、戦争で荒む人々の心を癒す存在へと変わっていくのです。
【資料】
◇『大阪市天王寺動物園70年史』大阪市天王寺動物園/昭和60年11月10日発行
◇ウィキペディア『天王寺動物園』項